|【豊中市の胃カメラ・大腸内視鏡検査】みやの消化器内科クリニック|内科・消化器内科

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アニサキス症

こんにちは。今回は聞いたことがある方も多いと思いますが、アニサキス症のお話です。

そもそもアニサキスとは寄生虫(線虫)の一種です。その幼虫は長さ2~3cm、幅0.5mm~1mm程度で、白色で光沢があり、太い糸のような外観をしています。

アニサキスの幼虫ははサバ、アジ、サンマ、カツオ、イワシ、サケ、イカなどの魚介類に寄生します。これらの魚介類が生きているうちは内臓に寄生していますが、宿主が死亡すると内臓から筋肉(魚の身の部分)へ移動するという習性があります。

アニサキスがいる魚介類を摂取することで、口から体内に侵入し胃や腸といった消化管の壁に突き刺さることで発症します。軽度の腹痛から上腹部の激痛を来したり嘔気・嘔吐する例や、まれですが腸閉塞や腸穿孔、ショックといった重症になる例もあります。しかしアニサキスを摂取したからといって必ず症状がでるわけではなく、無症状で経過することもあります。だから同じ食事をされた方がすべて症状がでるわけではありません。明確には原因はわかっておりませんが、発症する要因としては摂取したアニサキスの数や活動性、食べた方の体質、寄生部位によるといわれております。

・胃アニサキス症(最多)

胃アニサキス症はアニサキスが口から体内に入り、胃の壁に突き刺さることで発症します。経口摂取後3~4時間で、上腹部痛、嘔気・嘔吐の症状が現れます。これらの症状は胃の壁に突き刺さったことによる直接の痛みではなく、胃壁とアニサキスに対するアレルギー反応により症状が出現しているといわれております。なかなか通常の痛み止めなどでは効果が乏しいので、治療としてはアニサキスの虫体を除去することです。内視鏡を用いて、胃壁に刺さっているアニサキスの虫体を確認し、鉗子でつかんで引っ張り出して体外へ除去するという処置になります。こうすることで症状は速やかに改善いたします。原因となる魚介類の中ではサバが最も多い原因となります。きずしなどに用いられるしめ鯖もアニサキスは死なないので注意してください。

・腸アニサキス症

胃に比べればかなり少ない例です。腸アニサキス症はアニサキスが口から体内に入って、胃を通過して腸管壁に突き刺さることで発症します。経口摂取後、十数時間~数日後に、強い下腹部痛、嘔気・嘔吐、発熱などの症状が現れます。稀ですが腸閉塞や腸穿孔に至る例もあります。

・消化管外アニサキス症

上記よりさらに少数例になります。経口摂取したアニサキスが消化管の壁を突き破り、腹腔へと飛び出して寄生します。寄生した部位に応じた症状を引き起こします。

・アニサキスアレルギー

アニサキスに対するアレルギー反応です。その重篤なものがアナフィラキシーショックです。経口摂取後の蕁麻疹、血圧低下、呼吸状態悪化、意識消失が出現します。アニサキスは食べ物や薬に次いで多いアナフィラキシーの原因になっておりますので意外に多いといえます。

 

感染予防!

感染予防として、アニサキスは「60度以上で1分以上の加熱、マイナス20度以下で24時間以上の冷凍」によって死滅します。サバなどの生食はリスクが高いために上記の処理を経たものを食べることで予防できます。またアニサキスは目に見える大きさですので、調理するときや食べるときに注意を払うようにしましょう。魚介類を生食する場合は、より新鮮なものを選び、早期に内臓を取り出し(時間が経つとアニサキスが内臓から身の方へ移動するため)、低温(4℃以下)で保存してください。

 

*サバなどの魚介類を生で摂取して数時間で強い腹痛などの症状があるときはアニサキスが疑われますので、緊急内視鏡を実施いたします。当院でも可能な限り対応いたしますので、できれば事前にアニサキスの疑いがあることを教えていただきますようにお願いいたします。

 

 

豊中市西緑丘3丁目14ー8

みやの消化器内科クリニック

院長 宮野 正人