潰瘍性大腸炎|みやの消化器内科クリニック|豊中市西緑丘にある内科・消化器内科

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潰瘍性大腸炎

Disease

潰瘍性大腸炎とは

潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症が生じてびらんや潰瘍を形成する病気であり、炎症性腸疾患(IBD: Inflammatory Bowel Disease)のひとつです。一般的にIBDとは「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」のことを指します。

我が国では難病のひとつに指定されており、頻度は10万人に100人程度とされております。男女の差はなく、20歳前後の若い世代から高齢者まで幅広い年代で発症します。それほどめずらしい病気ではなく、現在は増加傾向にあります。

大腸の炎症は直腸から連続的に口側へ広がる性質があり、病変の罹患部位により直腸炎型、左側大腸炎型、全大腸炎型に分類されます。

症状としては下痢や血便、腹痛、しぶり腹(便意があっても便が出ない、出ても少量)、重症化すると発熱、体重減少、貧血などの全身症状がみられることもあります。

明確な原因は分かっていませんが、適切な治療により症状を抑制できれば、健康な人とほとんど変わらない日常生活を送ることが可能です。

また発症してから78年以上経過すると大腸がんを併発するケースが増加することもいわれておりますので注意が必要です。

 

潰瘍性大腸炎の原因

明らかな原因は特定されておらず、根治に至る治療のない病気のため、難病とされています。

潰瘍性大腸炎は家族内に発症するケースもしばしばあるために、何らかの遺伝的な要因も関与している可能性も指摘されております。また食生活の乱れによる腸内環境の悪化や自己の大腸粘膜を攻撃してしまうような免疫の異常が原因となっている可能性も挙げられております。ただひとつの原因ではなくこれらの要因が組み合わさって発症するのではないかと考えらえております。

潰瘍性大腸炎の症状

下痢や腹痛、血便などの症状をひき起こします。重症化になると発熱や体重減少、貧血などの全身症状がみられることもあります。

炎症の強さや大腸のどの辺りで炎症が起こっているかによって症状や強さが異なります。潰瘍性大腸炎では血便を発症することも多いですが、クローン病では血便の発症はあまり多くありません。

症状の現れ方には様々なパターンがあり、発症してからよくなったり悪くなったりを繰り返すこともあれば、症状が同じように持続したり、急に重度な症状が現れるたりすることもあります。

その他の腸管以外の合併症としては口の粘膜の潰瘍、目の炎症、手足の関節の痛み、皮膚の炎症など、さまざまな症状を惹き起こすことがあります。

潰瘍性大腸炎の治療

・薬物治療

潰瘍性大腸炎の治療の主体は薬物治療です。炎症を引き起こしている部位や程度、症状によって使用する薬物は異なります。

使用される薬は5-アミノサリチル酸製剤(5-ASA製剤)、ステロイド、免疫調整薬(アザチオプリン)、免疫抑制剤(タクロリムス)、生物学的製剤(抗TNF-α抗体製剤)などといったものから選択されます。

また軽症の直腸病変の場合には局所療法といって坐剤や注腸製剤を肛門から直接投与する方法もあります。

症状や粘膜の改善具合、副作用などを観察しながら治療が進められていきますが、一旦よくなっても再発を繰り返しやすいため、薬が中止できずに継続が必要なケースも多くあります。

・血球成分吸着除去療法

肘の血管から血液を取り出して、特殊な筒(カラム)を通過させることで、炎症に関与している血液成分を除去した上で再び血液を体内に戻す方法です。薬物治療で効果が得られない場合や、副作用により薬を使用できない場合に検討されます。 

・手術

近年の薬物治療などの進歩により手術が必要な患者様は減少傾向にあります。しかし病状が重く、薬物治療などを行っても十分な効果が得られない場合や薬の副作用により治療の継続が困難な場合には検討されます。

大腸全体を切除するために安易に選択されることは避けるべきですが、特に出血がひどい場合や、炎症が高度で症状も重く薬の効果がない場合、ステロイドの長期使用により重篤な副作用が生じている場合などは、手術が検討されるケースと考えられます。