潰瘍性大腸炎とは
潰瘍性大腸炎は、大腸の粘膜に慢性的な炎症が生じてびらんや潰瘍を形成する病気であり、炎症性腸疾患(IBD: Inflammatory Bowel Disease)のひとつです。一般的にIBDとは「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」のことを指します。
我が国では難病のひとつに指定されており、頻度は10万人に100人程度とされております。男女の差はなく、20歳前後の若い世代から高齢者まで幅広い年代で発症します。それほどめずらしい病気ではなく、現在は増加傾向にあります。
大腸の炎症は直腸から連続的に口側へ広がる性質があり、病変の罹患部位により直腸炎型、左側大腸炎型、全大腸炎型に分類されます。
症状としては下痢や血便、腹痛、しぶり腹(便意があっても便が出ない、出ても少量)、重症化すると発熱、体重減少、貧血などの全身症状がみられることもあります。
明確な原因は分かっていませんが、適切な治療により症状を抑制できれば、健康な人とほとんど変わらない日常生活を送ることが可能です。
また発症してから7~8年以上経過すると大腸がんを併発するケースが増加することもいわれておりますので注意が必要です。