胃がんが発見された場合、まず進行具合を検査して治療方針を決定します。
内視鏡的診断に加え、周囲のリンパ節や他臓器への転移がないかを調べるためにはCTやMRI検査、PET検査などが行われ、これらの結果をもとに総合して決定します。
・内視鏡治療
がんが浅い層(粘膜層)にとどまっている場合に選択されます。内視鏡を使用して胃の内側からがんを切除する方法です。リンパ節転移の可能性がほとんどなく、病変を一度に切除できると考えられる場合に行うことが原則になります。
内視鏡的切除術の方法としては、スネアと呼ばれる輪状のワイヤーを病変にかぶせた上で、基部を絞扼し、熱を加えて焼き切るEMRや粘膜や組織を切開するナイフを使用し、病変を周囲から切開し、胃粘膜から剥ぐように切除するESDが行われます。
・手術
胃がんがある程度進行しており、内視鏡では切除困難であり、また胃以外の臓器に転移がないという方が適応になります。
基本的には病変を含む胃を切除して、切除した部位と他の臓器と吻合させるような手術です。
症例によりお腹に小さな穴をあけ、そこから処置具を通して操作を行う腹腔鏡手術、お腹を切開して直接処置する開腹手術が選択されます。
・薬物治療
がんが他臓器に転移しており、完全に手術ではとりきれないような進行したがんや手術のあとの再発したがんに対して行います。
また手術前に病変を小さくするために行う「術前化学療法」や再発を抑えるために行う「術後化学療法」もあります。
化学療法は内服や点滴など多くの種類がありますので、ガイドラインに準じて、これらを組み合わせて使用します。