胆のう腺筋腫症
- 2024年5月16日
- 胆のう病変
こんにちは。寒暖差が大きく体調を崩しやすい季節ですが、みなさんはいかがでしょうか。
今回はあまり聞きなれない疾患の「胆のう腺筋腫症」についてのお話です。
この疾患は胆のうの壁が部分的にあるいは全体的に分厚くなる(胆のう壁肥厚)病変です。原因は不明であり、自覚症状はありません。意外に健診の超音波検査で指摘されたりすることも時々あり、それほどめずらしい疾患ではありません。変な病気にかかったとびっくりされる方もおられますが、この疾患自体は胆のう癌との関連性はない良性の疾患といわれておりますので、それほど心配する病態ではありません。
病態は肥厚した胆のうの部位によって3つの型(限局型、分節型、全般型)に分類されます。通常は胆のう壁に小さなのう胞構造や石灰化を伴います。また胆のう結石を合併することもあり、胆のう炎を発症して腹痛を来すこともあります。
この病気は治療の必要はありません。無症状であり、超音波検査上で胆のう癌を疑う所見がなければ、胆のうポリープなどと同様に1年に1回の検査で経過観察を行います。ただし胆のう腺筋腫症はあくまでも「見た目」の診断になりますので、経過観察中に胆のう癌が少しでも疑われる場合にはCTやMRIなどのさらなる精査や治療が必要になってきます。
当院でも超音波検査でフォローさせていただきますので、お気軽にご相談ください。
豊中市西緑丘3丁目14ー8
みやの消化器内科クリニック
院長 宮野 正人