機能性ディスペプシア
- 2022年5月6日
- 機能性ディスペプシア,上部消化管内視鏡
こんにちは。温かくなって過ごしやすい季節になりましたね。
皆さん、機能性ディスペプシアをご存じでしょうか?難しい名前ですが、簡単にいうと内視鏡では胃に異常ないのですが、胃もたれや胃痛、不快感、すぐお腹がいっぱいになる、などの症状のみが出現する病気です。
症状があって胃カメラを受けたけど異常はないといわれ、薬を処方されて、いつの間にか治っていたといった経験はありませんか?恐らくほどんどがこの病気ではないかと推察します。
実はこの病気はかなり多くの患者様にみられ、日本人の1割から2割ほどみられるという報告もあるほどありふれた病気です。放置されていたり、気持ち的なものと片付けられたりしているケースも多々ありますが、れっきとした病気なのです。
どういったことが原因になっているかといいますと、胃の働きが悪くなっている、胃が知覚過敏になっている、ストレスなどの心理的要因、胃酸過多、生活習慣の乱れ(アルコール、喫煙、不眠など)などの要因がいくつかが組み合わさって起こる複雑な病態です。ピロリ菌が原因となるいわゆる慢性胃炎とはまた別の病態とされています。
この病気であると診断するには、内視鏡で胃潰瘍、胃癌などの目に見える病気がないことを確認することが前提となります。
治療としては生活習慣の改善、食事療法、薬物療法が挙げられます。
規則正しい生活を送り、ストレスから解放されることが重要です。規則正しい食事を行い、睡眠や休養を十分にとってください。また適度な運動を心がけましょう。
食事はよく噛み、ゆっくりと食べ、一度に食べすぎないようにしてください。食事内容もバランスを考慮してください。脂肪分の多いものや炭酸、スパイス、コーヒー、マヨネーズなどは摂取しすぎないように注意してください。
症状によっては薬物も併用いたします。胃の働きを改善させる薬や胃酸分泌抑制薬が使われることが多いです。
残念ながら一旦症状が改善しても、再発することが多々あります。完治というのは難しい病気ですので、わかる原因を除去しながら症状がでないように、上手く付き合っていくような病気と考えます。
自分もあてはまるかなと感じた方は、一度ご相談いただければと思います。
豊中市西緑丘3丁目14ー8
みやの消化器内科クリニック
院長 宮野 正人