感染性胃腸炎|【豊中市の胃カメラ・大腸内視鏡検査】みやの消化器内科クリニック|内科・消化器内科

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感染性胃腸炎

こんにちは。前回はノロウイルス感染症についてお話しましたが、今回は大まかな感染性腸炎のまとめです。

感染性腸炎とは体内に細菌やウイルスが腸管内に侵入し、増殖して発症する疾患です。食べたものから感染したり、接触感染したりします。1年中みられる疾患ではありますが、季節によって感染する病原体が異なります。主に夏には細菌性腸炎が、冬から春にかけてはウイルス性腸炎が多くみられます。

頻度として多いのが細菌ではカンピロバクター、サルモネラ、ウイルスではノロウイルス、ロタウイルスとなっています。

症状は下痢、発熱、腹痛、嘔吐、血便などが見られます。下痢はほぼ必発ですが、その他の症状は病原体によって異なります。高熱を伴う激しい下痢の場合はカンピロバクター、サルモネラ、ロタウイルスなどが考えらえます。ノロウイルスは嘔吐、下痢が主であり発熱はないかあっても軽度のことが多いです。一方、ロタウイルスは発熱があり、その他下痢、嘔吐症状があります。強い腹痛、血便なら腸管出血性大腸菌(O-157など)を考えます。その他カンピロバクター、サルモネラでも血便が見られることもあります。

 

病原体に感染してから発症するまである程度期間があります。これを潜伏期といいます。主に原因となる食べ物もお示しします。特にウイルスは食べ物ではなく、感染者からの接触感染のことも多く、感染力がかなり強いです。

          潜伏期       原因食品

カンピロバクター: 2~8日      鶏肉、牛肉

サルモネラ:    8時間~2日    鶏肉、牛肉、豚肉、鶏卵

腸管出血性大腸菌: 12時間~3日   牛肉

ノロウイルス:   12時間~2日   二枚貝

腸炎ビブリオ:   8~14時間    魚介類

診断には詳細な問診が重要で、症状や発現時期、食事歴、周囲の人の様子、旅行歴などの情報を頼りに行います。通常、細菌を同定する便培養やウイルスのチェックまでは行いません。(培養の陽性率が高くないことと、基本的にどの病原体でも自然軽快が見込めるため)

治療ですが、一般的に感染性腸炎は自然治癒傾向が強く、原則、対症療法(症状を抑えるために行う治療)となります。抗生物質は必要ないことが多いですが、細菌性が疑われ症状が強い方には使用します。

整腸剤は腸内細菌叢を回復させるために使用します。下痢止めは毒素などが体内に吸収されやすくなり、症状が長引く可能性もありますので、原則使用いたしません。

みなさんも特に火を通していない肉類の摂取には注意してください。

 

 

豊中市西緑丘3丁目14ー8

みやの消化器内科クリニック

院長 宮野 正人