内視鏡を受ける間隔について
こんにちは。今回は内視鏡検査のフォローについてでございます。
胃内視鏡や大腸内視鏡を何らかの理由で受けられますが、その検査の終了後、「次はいつカメラを受ければよいか」という質問をよくいただきます。
私は基本的に診察でお伝えするようにはしていますが、どのように考えているかを説明させていただきます。
・胃内視鏡
基本的にヘリコバクター・ピロリ菌がいるかどうかで大きく変わってきます。ピロリ菌に未感染の方は症状がなければ定期的にする必要はありません。しかしピロリ菌に感染している方や除菌後の方でも、年1回の検査はしておいた方がよいと考えます。癌が出てきたときに、早期にみつけたいという目的のための基準でございます。ピロリ菌がいなくなっても癌の発生リスクは下がっていますが、未感染の方と比べるとやはりリスクは高いです。ピロリ菌未感染の方はほとんど胃癌にはなりません。
その他の判断材料としては、悪性を疑うような病変や、気になる病変、経過観察が必要な病変があった場合です。病変に応じて2か月後や半年後、1年後などの間隔を指示させていただいております。
・大腸内視鏡
大腸についてはポリープがみつかったかどうかで変わってきます。
一定の基準はなく、私の考えですが、ポリープを切除した後は一度、1年後の検査を推奨しております。といいますのは、ポリープがあった方は、別の部位に複数個できていることが多々あります。細部まで観察しているつもりでも、どうしても隠れている小さなポリープなどを見落としている可能性はございます。だから1年おきに2回することで、問題ないといえる確実度が上がります。2回目で何もポリープがなければ少なくとも3年はあけてもよいかと考えます。
あと特殊な病態がある場合、例えば慢性炎症性疾患(潰瘍性大腸炎やクローン病)があったりする場合は、病状により間隔は違いますが、定期的な検査が必要です。
以上となりますが、基本的に述べましたのは無症状の方についての基準ですので、症状がある場合にはこの限りではございません。症状に合わせて適宜、内視鏡検査が必要になってきます。
豊中市西緑丘3丁目14ー8
みやの消化器内科クリニック
院長 宮野 正人