|【豊中市の胃カメラ・大腸内視鏡検査】みやの消化器内科クリニック|内科・消化器内科

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下血(肛門からの出血):2

前回の続きとなります。

今回は上部消化管(食道、胃、十二指腸)などから出血した場合に起こる黒色便、タール便についてご説明します。出血した血液が胃酸により酸化されることで真っ黒となり、便と混じることで下血します。鮮血の出血と違い、黒色便・タール便は緊急性の高い症状となります。というのは、例えば胃潰瘍や十二指腸潰瘍などから出血していたとすると、潰瘍が常に胃酸にさらされることにより、それが刺激となり出血が自然に止まりにくいからです。だから黒色便やタール便を見た場合は、速やかに内視鏡などで出血部位を確認する必要があり、場合によってが止血処置が必要となります。

 

黒色便・タール便代表的な鑑別疾患(原因)は以下となります。それぞれの簡単な特徴を致しますので、当てはまるかご覧ください。

    ① 胃・十二指腸疾患

    ・胃潰瘍/十二指腸潰瘍

    ・急性胃粘膜障害

    ・胃癌

    ・マロリーワイス症候群

    特徴

    胃・十二指腸潰瘍は胃粘膜が深く傷つき、その部分の粘膜は剥がれて、表面がえぐれているような状態です。主にピロリ菌を持っている方にできやすい病態です。その他は鎮痛剤(ロキソニン)や暴飲暴食、ストレスなどの原因もあります。症状は上腹部の痛みや吐き気、不快感、食欲不振などが見られます。潰瘍内の血管から出血する場合があり、吐血、下血の原因となります。

    急性胃粘膜障害はこちらも薬剤や暴飲暴食、ストレスなどが原因となり、胃粘膜がある程度広い範囲で炎症を起こしている状態であり、胃粘膜がむくみ、発赤やびらん、潰瘍形成を伴います。症状は胃潰瘍と同様です。

    胃癌からも出血する場合があります。腫瘍自体が軽い刺激により出血しやすいためです。大量に出血するというよりはじわじわと滲み出るように出血することが多いです。

    マロリーワイス症候群は頻回の嘔吐により、胃の入り口である噴門部のところに負荷がかかり粘膜が裂けて出血する病態です。吐血や下血の原因となります。

    ② 食道疾患

    • 食道静脈瘤破裂

    • 重度の逆流性食道炎

    特徴

    食道静脈瘤とは主に肝硬変の方に出現する病態です。食道に縦に走る血管(静脈)の内圧が上昇し、こぶ状に膨らんだ状態を指します。特に症状はありませんが、ひどくなると静脈瘤が破裂して大量出血を来します。その場合は下血ではなく吐血であることが多いです。

    逆流性食道炎で出血は稀です。ただ重度となると粘膜障害をひどくなるため出血を来すことは考えられます。

     

    ③ 薬剤性

    • NSAIDs(痛み止め)

    • ステロイド

    • 抗血栓薬

    ロキソニンなどの痛み止めやステロイド、抗血栓薬(バイアスピリンなど)は食道、胃、十二指腸の粘膜障害を引き起こし、潰瘍形成することもあるので出血の原因となり得ます。特に長期投与をする場合には胃薬を併用するなどして注意が必要です。

     

    *黒色便と紛らわしいもの 以下は出血ではない黒色便です。

    • 鉄剤内服

    • 活性炭

    • 黒い食品(イカ墨など)

     


    ■ 黒色便・タール便の臨床的ポイント

    消化管出血量が比較的多いです。特に胃潰瘍や十二指腸潰瘍からの出血は緊急的な止血処置が必要になることもあります。

    ふらつき、動悸、息切れなどの貧血症状に注意してください

    黒色便は原則、早急な医療機関への受診が必要です

    当院におきましては、黒色便・タール便の患者様がいらっしゃった場合にはまず、全身状態や血液検査で貧血の程度を確かめ、緊急的に内視鏡検査が必要、場合によっては止血処置が必要となる可能性が高いと判断した場合には、入院施設のある病院へご紹介させていただいております。

    緊急性がないと判断した場合には、当院で待機的に内視鏡検査を実施させていただいております。

    気になる症状がございましたら、ご相談いただければと思います。

    豊中市西緑丘3丁目14ー8

    みやの消化器内科クリニック

    院長 宮野 正人