膵癌
- 2022年11月15日
- 膵疾患
こんにちは。
今回は膵癌についてです。日常診療で膵癌を気になさっている方が結構いらっしゃいます。背中が痛いのは膵癌ではないか、体重減少しているのは膵癌があるのでは、特に症状はないけど膵臓をみてほしい、、、などです。膵癌は予後が悪いことで有名ですので、みなさんが気になる気持ちはわかります。
ただ罹患率は胃癌や大腸癌などに比べて低いために、癌での死因では第5位となっております。膵癌は早期ではほとんど自覚症状を認めません。病気が進行してから痛みであったり、体重減少、黄疸の症状が出現してきて発覚することが多いので、進行癌でみつかることになり、予後が不良となります。
膵癌を早期でみつけるのは困難で、簡単にわかるような検査はありません。そもそも膵癌を診断するには画像検査が必須であり、CTやMRIで診断をつけます。超音波内視鏡といった特殊な検査も使用されます。血液中の腫瘍マーカーなどもありますが、こちらは癌がある程度進行してからでないと上昇してきません。症状や他の病気もないのにCTやMRIを定期的にとることは基本的にありませんので、診断が遅れる原因となってしまいます。
現在は微小な早期膵癌をみつける方法を、色々と臨床研究されており、結果が待たれます。
大事なことは膵癌のハイリスクとなる方。つまり慢性膵炎、IPMN(膵管内乳頭粘液性腫瘍)といった病気のある方、生活習慣病でいうと糖尿病、肥満、喫煙、大酒家などの方は特に注意して観察していく必要があります。
豊中市西緑丘3丁目14ー8
みやの消化器内科クリニック
院長 宮野 正人