体重減少
「6か月で5%以上の体重の減少があること」と定義されています。意図した体重減少なら問題ありませんが、意図しないものであると病的な原因がある可能性があります。
その中でも食欲がある場合とない場合があります。食欲があって食事もしっかりしているのに体重が減少する場合は甲状腺機能異常や糖尿病などの内分泌疾患が挙げられます。また食欲があっても食事ができないときは神経疾患で嚥下機能に問題があったり、歯の問題、食道癌といった物理的な通過障害が存在することもあります。
一方で食欲がない場合の原因疾患はかなり多岐にわたります。おおざっぱに分けると、悪性腫瘍(消化管癌が多いです)の他、胃腸の炎症や機能異常、慢性膵炎などの慢性的な消化器疾患、副腎皮質機能低下症といった内分泌疾患、心不全やCOPDといった心肺疾患、認知症やうつなどの精神神経疾患などが挙げられます。非特異的な症状ですので、体重減少のみで疾患を鑑別することはできません。それ以外の症状も考慮して、血液検査や画像的な検査を用いて診断を進めていくことが必要となります。