食道アカラシア|【豊中市の胃カメラ・大腸内視鏡検査】みやの消化器内科クリニック|内科・消化器内科

〒560-0005 大阪府豊中市西緑丘3-14-8
MENU
WEB予約はこちら

食道アカラシア

Disease

食道アカラシアとは

食道アカラシアとは、下部食道括約筋の異常による弛緩不全のため、食道から胃への食物の流れがスムーズに行われなくなってしまう運動機能障害のひとつです。

口から入った食べ物は食道の蠕動運動により胃に運ばれます。通常であれば胃と食道のつなぎ目の部分は胃の内容物が逆流しないように、普段は閉じられておりますが、食べ物が通るときに下部食道括約筋が緩んで胃の中へ運ばれます。しかしアカラシアではその筋肉が緩まないので、胃へ食物を運ぶことができなくなり、食道内で停滞してしまいます。

30歳~50歳代で発症することが多いとされておりますが、どの年代でも起こりえます。頻度は10万人に1人程度でまれな病気です。

食道アカラシアの原因

食道と胃のつなぎ目付近には、胃に入った食物が食道に逆流しないようにする下部食道括約筋という機構があります。

タイミングよく下部食道括約筋が緩むことで、食物は胃へと流れ込みますが、食道アカラシアの患者様はその括約筋がうまく働かず、慢性的に食道に溜まることになるため食物が口に逆流してきます。その筋肉の弛緩や蠕動運動は食道壁内の神経によって調節されておりますが、アカラシアはこの神経が障害されることによって起こります。

現時点ではこの神経が障害される原因はわかっておりません。

食道アカラシアの症状

食道アカラシアでは、食道が十分に開かないことで、食べ物の残りかすが食道の中にたまってしまいます。そのため主な症状に挙げられるのは、食べ物のつかえ感が出現し、飲み込みにくくなります。

特に冷たい流動食を飲み込みにくくなります。病状が進行すれば嘔吐や体重減少を伴うこともあります。

食道アカラシアでは、気候や精神的な影響も受け、症状が変動することもあります。

また、食道にたまっている食べ物の残りかすが原因となり、食道が炎症をおこし、胸やけなどの症状が出てくることもあります。

食べ物が誤って気管に入ってしまうこともあり、それが原因で肺炎を引き起こすこともあります。

食道アカラシアの検査・診断

食道アカラシアの診断に際しては、食道造影検査や内視鏡検査、食道内圧検査が行われます。

 食道造影検査(バリウム検査)

バリウムを飲んで食道の形態を確認します。アカラシアでは食道運動の異常や下部食道の狭窄、狭窄の口側の異常拡張などを確認することが可能です。

 内視鏡検査

食道がんなど他疾患との鑑別も行うことができます。内視鏡を挿入することで、下部食道が狭くなっていて広がりが悪かったり、通過するときに抵抗があることを確認できます。

また食道のなかに食べ物の残りかすがたまっている様子がみられます。

食道内圧検査

鼻からセンサーのついたカテーテルを挿入し、喉から食道、胃の内圧を連続的に測定する検査です。食道の運動異常を確認できます。

治療方針

生活スタイルの改善や内服薬の使用、内視鏡治療、手術療法など症状や程度に合わせて治療方法を提案します。

薬物療法としてはカルシウム拮抗薬、亜硝酸製剤や漢方薬などが用いられます。

また、食事を摂取してから短時間のうちに就寝すると、食道内に蓄積した食べ物が逆流してしまい症状出現の誘因となります。このことを防ぐために、特に就寝前の食事摂取を控えるなどの生活習慣の改善が必要です。

内視鏡的な治療としては下部食道括約筋部を拡張させることを目的として、狭くなっている部位をバルーンで広げて通過をよくする方法があります。その他、内視鏡を用いた新しい手術POEM(内視鏡的筋層切開術)と呼ばれる方法もあり、良好な成績が報告されております。

また手術療法も選択肢の一つとなります。食道と胃の境界部(食道胃接合部)の筋肉を切開し、食物の通過を改善させるヘラー(Heller)手術と逆流を防ぐ噴門形成を行うドール(Dor)手術を同時に行うヘラードール(Heler-Dor)手術が主流となっております。